データベースを使ってみる(後編)
2024-12-28
後編はじまるよ
さて、前編に引き続きデータベースのおはなしです。 後編は、弊観測所に実物のデータベースを導入したおはなしになります。
なんか生えてない?
突然ですが、数日前から何かの数字がトップページに生えてますね。 お気づきになりましたか……
これはデータベースに接続してトップページのアクセス数1を実装したものになります。以下から順に実装の手順を追っていきましょう🌟
データベースにRedisを使う
家計簿確認アプリではSQL (SQLite)を扱いました(というより使わざるを得なかった)が、観測所ではRedis2を使います。 以下の流れでやってきます。
- UpstashでRedisのデータベースを作成
- APIルートを作成
- フロントエンド側で実装
UpstashでRedisのデータベースを作成
Upstash でアカウントを作成し、Redisのデータベースを作成します3。 最近はこういう外部サービスが発達して、自前でサーバーを用意したり維持費4かけたりしなくてよくなったのは本当に神だと思います。
なお、Upstashの無料プランは1日10,000回まで処理を実行することができます。 弊観測所の規模的に、無料プランでも余裕があっていいですね。
APIルートを作成
まずは必要なパッケージをインストールします。
1pnpm add @upstash/redis
Upstashで取得したデータベースのURLと認証トークンを環境変数にセットしておきます。
.env.local1UPSTASH_REDIS_REST_URL=<your-upstash-redis-url> 2UPSTASH_REDIS_REST_TOKEN=<your-upstash-redis-token>
これで準備完了!APIルートを作成します。
api/views/route.ts1import { NextResponse } from "next/server"; 2import { Redis } from "@upstash/redis"; 3 4/** 5 * Redis (環境変数から作成) 6 */ 7const redis = Redis.fromEnv(); 8 9export const POST = async () => { 10 const count = await redis.incr("views"); 11 return NextResponse.json({ count: count }); 12};
とても簡単に実装できますね!
- Redisのインスタンスを環境変数から作成しておいて(7行目)
- POSTメソッドが飛んで来たら
views
というカウントをインクリメントし(1増やし)、その結果をcount
に代入(10行目) count
をレスポンスとして返す(11行目)
GETメソッドは、どこかでカウント数を増やさずに現在の値を取得したいなら書くべきですが、カウントを増やす目的だけならGETはなくてもいいでしょう。
フロントエンド側で実装
あとは任意のコンポーネントからuseEffect
内でAPIをPOSTメソッドでfetch
してあげると、カウント数を1増やしたのちにカウント数を取得することができます!
以下のコードは例になります。
1"use client"; 2import { useEffect, useState } from "react"; 3import { NextPage } from "next"; 4 5const Home: NextPage = () => { 6 const [views, setViews] = useState<number | null>(null); 7 8 useEffect(() => { 9 const fetchViews = async () => { 10 const res = await fetch("/api/views", { method: "POST" }); 11 const data = await res.json(); 12 setViews(data.views as number); 13 }; 14 fetchViews(); 15 }, []); 16 17 return <p>{views !== null ? views : "Loading..."}</p>; 18}; 19 20export default Home;
まとめ
これにて、カウンター?の設置が完了です! 前回の苦労と比べたら比較的シンプルにできましたね。
まあ今回は値を増やすというシンプルなことしかしませんでしたが、眠星観測所にとっては大きな一歩となったかと思います。すなわち、
このサイトがデータベースと接続したことで、ユーザーのアクションを記録することができ情報伝達の双方向化が可能になった
ということになります。
さて、後編はこれくらいにしておいて、深き眠りにつこうね……💤⭐
脚注
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正しい実装に直すまでにVercelにデプロイ時?やよくわからないタイミング(google botが巡回してる?)で明らかに実態にそぐわない増え方をしちゃったみたい……🌀 まあ、アクセス数とせずに正しくは「眠星(ねむりぼし)への干渉によってすやぁすたー⭐に蓄積された累計エネルギー」とでもしておきましょうか。
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複雑なデータをSQLみたいな表形式で管理するほどではなく、RedisがKV (key-value)型でシンプルで取り扱いやすいからです。Redisがよくわからにゃい人はChatGPTに「Redis SQL 違い」とでも聞いてみてください。
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アカウント作成については、この記事 とか参考になります。