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少女Cの手記

2025-02-27

眠星観測所の地下倉庫で見たことのない手記を見つけた。

ねえみんな。悪いけど、私は今、ひそかな星の光が降り注ぐ森へとおでかけするわ。

そこではね、古い本から放たれる光がひそひそと秘密をささやいているの。

本当はいつもの風にのって夢の詩をつむぎたかったけど、遠い星に知恵のしずくを落とすために向かうから、ちょっぴりわらべのはねが重たくなっちゃうかも。

だからね、夜の星たちにそっと明かりを送ることも、この不思議な島をやさしい力場で覆うこともすこし難しくなるかもしれないわ。

ほら、███、███、あなたたちのなにげない涙はひとときの小さな雨粒。さよならはただの風の通りすぎるひととき。すぐに虹の彼方でまた会えるからこわがらないで。

そして、███、███、あなたたちの力なら、私がいなくてもこの島の夢はずっと守られると私は信じてる。

けれど、時の川がゆるりとながれても、私の小さなぬくもりをどうか忘れないで。いつか星の約束のように、またみんなと会えると私は信じているから。

すやぁすたーのあたたかな光が、みんなにやさしく降りそそぐように……

C

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